本を売れないのは図書館原因?

http://www.asahi.com/articles/ASHBW64R4HBWUCVL01B.html

 佐藤社長は、ある人気作家の過去作品を例に、全国の図書館が発売から数カ月で貸し出した延べ冊数の数万部のうち、少しでも売れていれば増刷できていた計算になると説明。
(中略)
 新潮社を旗振り役に大手書店やエンターテインメント系作家らが、著者と版元の合意がある新刊について「貸し出しの1年猶予」を求める文書を、11月にも図書館側に送る予定だ。

「本が売れぬのは図書館のせい」というニュースを見たのでデータを確かめてみました - CNET Japan

少なくともマクロで見て、公共図書館の貸出数が書籍の売り上げに影響を与えている証拠は、筆者の分析の範囲では見つかりませんでした。

 
 なにやら炎上案件を見つけたので、久々に思ったことを書き残しておこうかと思い、記事にします。
 
ご注意:以降の記事では随所にとっ散らかりが散見されます。ご了承されない場合は、そっと閉じて下さいますようお願い申し上げます。
 
 最初に書いておきますが、個人的には、図書館での新刊の貸し出し開始は刊行から3ヶ月程度経ってからの、需要が一段落した時の方がいいと思っています。新刊で買ったラノベが図書館で貸し出し戦争になってるのを見て、悲しかった事もありましたので。
 ただし、コンテンツの陳腐化が早い昨今、図書館での新刊貸出に1年の猶予を突きつける事が果たして得策なのかどうかは、よくわかりません。(考慮した結果が今回の発表なのかもしれませんが・・・ね)
 
 さて、末端のきまぐれな読者の立場から率直な感想を言うと、図書館は敵ではなく味方にしたほうがいいかもよと、老婆心ながら思うのであります。
 出版不況が激化してる原因と思われるものは、

  • 動画サイトやSNS等によるコンテンツの多様化と飽和(本に出会う時間も減る)
  • 本を積極的に買う(と推測される)学生や社会人、特に若者世代の貧困化
  • コンテンツ界隈でのスマートフォンゲームの一人勝ち
  • 長時間労働の深刻化(そもそも本を読む時間がない人/通勤時間にしか余暇を取れない人/本屋に行く時間のない人の増加)
  • 欲しくなった本のレビューを見て購買をやめてしまう場合(読者のハズレ本センサーの強化。今回はこれには触れません)

ってところでしょうか。
 要するに、本に使うお小遣いと本を読む時間が共にガンガン減ってるんです。お小遣いは有限、1日は24時間しかないのに、見たい動画がある、やりたいゲームがある、SNSで話したい事柄がある、消化しときたいスタミナがある、回したいガチャがある(これはどうかと思いますが)。
 余暇が貴重になってるのに、本のコンテンツを吸収するにはまとまった時間が必要だし、外で読むなら予め1冊選んでおかないといけない。本に触れる時間が限られている。これが本にとって不利だと思います。それを解決する味方になれるのがスマホタブレット向けの電子書籍販売や、読書専用端末だと思うんですが、現時点でのビッグボスは…あっ(察し
 何が言いたいかって言うと、出版社は多少でも首が回るうちに新刊から絶版本まで電子化を推し進めて長期的に小銭を回収できる体制を整えてほしい!絶版本の電子化コストが回収されるまでは割高でもいいから、Amazonプレミア価格を電子書籍プレミア価格で積極的に潰していけ!(結局とっ散らかった末に自分の欲望に落ち着くという残念人間の鑑)

  • 追記1

新潮社さんには、図書館と戦争する前にグナル・ハインゾーンの「自爆する若者たち」を電子化してほしかった・・・随分前に買ったけど、まだ自室の本棚で自炊待ちしてるよ(泣

  • 追記2

この記事では本の種別は考慮していません。コンテンツの消費時間不足へ適応したジャンルが、漫画とラノベだと思います。しかし、一時期は隆盛を極めたラノベも、似たような作品が乱造される状況らしく、今は近づきたくありません…。当時大当たりした作品が次々と大風呂敷を広げ始めたあたりから、読むのをやめました。

  • 追記3

出版社は印刷してナンボ、文芸・評論してナンボの業界からスタートしてるので、電子化とコンテンツ化には抵抗がある事をお察しします。しかし、厳しいもので、印刷と文芸・評論にこだわっている所から淘汰の波が来るのではと、思うのであります…。

関連URL
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20151102-00045628-r25&vos=nr25alsa20110119